ハチとゲージ 2

翌日、

僕は考えた。

登らないようにすればいいんだ。

 

蛇が高圧線に登らないように途中で蛇止めがしてあるように、ハチ猿止めをやればいいのさ。

 

さっそくゲージの長さと同じ板を4枚用意してゲージの上に板を針金で固定した。

ハチ猿止め の完成だ。

 

これでもう登れないから諦めて静かにしているだろう。

 

深夜2

 

GARI GARI GARI GARI GACYA GACYA GACYA GAU GAU GAU

んっ?

ガチャ ガチャ ガチャ ガウガウ ガリガリガリガリ 

GARI GARI GARI GARI GACYA GACYA GACYA GAU GAU GAU

 

ジョ------------

んっ?

 

まさか起き上がり電気を付ける

 

あっ!

 

そこで僕が見た物は

ハチ猿が四隅においた板を1枚破壊してその上に乗って(今度は針金ではなくて板だから安定している)足を上げて勝ち誇ったように上からリビングにおシッコをしているではないか!

 

「パパ! どう凄いだろう!」

ドヤ顔のハチだ!!!!

 

しかも勝ち誇ったようにほめられると思って 耳を下げて 目じり下げて しっぽを出来るだけ振って 潤んだ瞳で僕を見つめる。

 

リビングにはシッコのシャワーの跡

 

誇らしげなハチと言葉を失った僕。

 

しばらくたたずんでハチのしっぽを僕は見ていた。

小さな尻尾がぴんと上に向かって勢いよく立ち、ちぎれるほどに振られている。

 

やはり新種のケア-ンシッコテリア猿だったんだ。

 

それからというものハチ猿にやられ放題。

 

修理しても板を突き破って上に乗り今度は「遠吠え」をし始めた。

それは深夜のマンションに

 

「俺様は猿だぞう!!!!!!!!!」

と僕には聞こえた。

 

なぜこんなことをするのか?なぜ60センチの高さのゲージを登ってハチ猿止めの板を破壊して上に登りきる事が出来るのか?なぜその上からシッコをあたり一面にかける必要性があるのか?それをなぜ深夜行うのか?そして遠吠えして僕を起こして嬉しそうに見つめるのか?全てが謎だらけだ。

 

謎のケア―ンテリア猿のハチだ。

なんとかしなければ・・・・・。