見えなかったものが見える時代へ

GAFAの登場 (Google,  Apple,  Face Book,   Amazon)

 

この巨大IT企業は今まで見えなかった情勢や事件や動きをあっという間に世界中に情報として配信している。

Googleに至っては「火星」の裏側までその風景を見せてくれる。知的好奇心をくすぐられる。

DNAの分析でタコは地球外生物だという生物学者の論評をYAHOOニュースで読んだ。やはり火星から隕石に乗って飛んできたのではないだろうか?古代の火星人はタコではなかったのか?ということは、僕は火星人の子孫を「美味しい」と食べていることになるな、なんて思ってしまう。多大なる情報は新たな「思考」を産み出し新たなビジネス を生みだしている。しかしながら、情報の「量」は増えているが「質」が向上しているわけではない「フェイクニュース」「情報操作」など非常に危険な要素も持ち合わせている。

我々はこの漠大な情報の中から隠れている「真実」「可能性」を感じとらなければいけない。そのためには「知識」「経験」という過去に通用した方法より「感性」Artの力が必要なのだ。

0 コメント

落合選手の感性

3冠王を3度獲得した落合選手はバッティングで手袋を使わなかった。素手でバットを触れる事でバットと会話していたようだ。バットは体の一部、両腕の延長だと捉える。バットに感覚が宿るのだろうか。
バットと自分の感覚は、自身の体調 朝 昼 夜 季節 温度 湿気 全てが関与して毎日 同じ感覚ではないそうだ。バットを握る時間は体調が安定している午後4:00と決めてその日の感覚を確認していた。試合でバットを素手で握った時に右手と左手が上下で触れ合う。ここでどの部分をどの程度触合わせてボールを捉えに行くのか基準としていたそうだ。この貴重なポイントを革の手袋で覆ってしまうと皮膚感覚の微妙な調整が出来ないのでグローブは使わなかった。何という繊細さだろう。
マーケティングやブランディングでWEBよりも自分の目や肌で体験して感じとるという事に繋がると思う。「美は細部に宿る」と言うが、美しい打撃もまた同じなのだ。
また驚いたことに落合選手は指にタコができた事がなく、その代わりに親指の付け根を酷使して痛めるそうだ。落合選手はバットにボールが当たっても強くは握らない。バットとボールがなるべく長く触れている時間を作るために逆手の親指で遊びを持たせるそうだ。この感覚はピートローズさんも同じような事を言っている。マーケティングで市場を見つけ新たなブラディングを行う時に決めつけるのではなく、泳がせて掴むという事に繋がりそうだ。「変化する事だけが、変化しない事」だから、我々の腕も流動的であるべき事を教えてくれる。
豆を作って大打者になった選手もいれば、豆を作らずに感性や感覚を重視して大打者になった落合選手もいる。
現代のアンコンストラクチャル(非構造的)な世界では、感性と感覚が新たな価値を創造する源泉だと感じる。

0 コメント

パッケージ化戦略

商品そのものだけでは人は満足しない。つまり商品からの水平志向「ライフスタイル」「プログラム」「システム」 付随する価値 見えない楽しさ 参加する喜び 満足感 その心理をパッケージ化する事がブランドの成功条件だ。優れたブランディングはライフスタイルのパッケージ化へと進んでいる。

もちろん、スペック・機能はある程度は大切だが、人はそれだけでは満足しない。つまりそれだけでは喜びや感動を味わう事は出来ないのだ。
 ハーレーダビッドソンというバイクは スペック・機能では日本のバイクにかなわない。そこでライフスタイルのパッケージ戦略を進めて日本で成功した。
その魅力価値は「ハーレーと過ごす楽しい生活」だ。つまりハーレー好きの仲間とツーリングやキャンプを楽しめるパッケージを作ったのだ。さらに100年の歴史を武器に、メガショップを作りライフスタイルを実感出来る空間を提供した。高額のバイクは直ぐには買えないが、Tシャツ👕3900円など手が届くアパレルやアクセサリーをメンズ・レディス・チャイルド販売して「いつかはハーレーを所有したい」という未来のオーナーを作る事に成功に導いたのはこのパッケージ戦略だ。日本の優れたバイクメーカーがバイク市場というカテゴリーでスペックや価格を争ってレッドオーシャン化しているにのに対して、ハーレーを中心とした参加型のライブスタイルのパッケージを作りあげたのだ。そこはブルーオーシャンでもある。
 Macも同じ事が言える。日本のパソコンメーカーがスペックや価格で競いあっていた中で、ジョブズは優れた日本のスペックを利用して、Macと過ごすファッショナブルなライフスタイルを生み出した。価値軸をずらして魅力を生み出した。スペックや機能もパッケージ次第で新たな魅力を持つことが出来るのだ。

0 コメント

ルイヴィトンのデザインソース

 

この誰もが知っているモノグラムデザインソースは「日本」の家紋であることをご存じだろうか?よく見るとわかるのだがどこか日本風な雰囲気を醸し出していることを気づかなかっただろうか?

嵐山の古いお寺にLVのデザイナーが「寺紋」を使いたいと訪ねてきたそうだ。その住職は断わった。

 

ルイヴィトンがLVMH JAPON で直接販売する前は、ある大きな日本のインポーター(輸入業者)が取り扱っていたことがある。そこの社長が後のLVMH社長の秦氏に言ったそうだ。

 

「あの柄は風呂敷みたいで信玄袋のようだ。売れるわけがない」と言ったそうだ。社長はいくつものブランドを輸入販売しているからそれなりの感覚を持っていたはずだ。がしかしだ。「売れるわけがない」という予測が全く大外れして企業をつぶすような判断をしているのだ。

変化する市場を嗅ぎわける感性が無かったとしか言いようがない。

あまりにも既存の価値感覚にとらわれすぎていたのではないか。

 

経営者は「高感性ファッション」を持たなければいけない。

 

LVMHのアルノ―氏はブランドのデザイナーに日本の原宿に行けば必ずアイデアが湧くので行くように指示している。日本からのインスピレーションを加工して新しい価値をクリエイトするのが上手いのである。つまりファッションソースを日本の伝統文化から取り入れてそれを自分のブランドのフィルターにかけて商品化している。

 

 

LVMHをはじめ多くのラグジュアリーブランドのデザイナーや企画担当の連中が京都を訪れているのだ。GIVENCHYの企画チームは僕の知り合いの「金箔師」のアトリエに毎月来ていた。京都の金箔の美しさをどうやってファッションや化粧品に取り入れるか研究し口紅で実現した。

 

 隣の帯の機織り工房にはVALENTINOのデザイナーが訪れて京都の昔からの柄を掘り起こしている。嵐山の友人の「染師」の工房はHERMESの現社長と企画担当者が訪れて手染めを研究して商品を買って帰国した。その後はルーブル美術館の学芸員が定期的に訪れている。

 

何かと似てないだろうか?

APPLEだ。APPLEは独自の技術は殆どないが、既存の技術を集めて魅力的な商品をクリエイションしてきた。日本の伝統工芸の技術は素晴らしいがそれがそのまま現状のマーケットに受け入れられるかというとそれはNGだ。新しいフィルターを掛けなければいけないのだ。ところがこのフィルターを中々掛けることができない。下手にやると「お土産物産展」になりがちなのだ。このフィルターはでは何だろう?

 

それは「高感性ファッション」だと僕は感じている。

APPLEのフィルターも実はライフスタイルの中にある「ファッション」なのだ。

 

この「高感性ファッション」の感覚は経営者に求められる。

それは時代を嗅ぎわける力でもあるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

0 コメント

イタリアのAlessi & 大阪の Da Reya

イタリアのブランド「Alessi」と大阪の水栓金具メーカー、カクダイの「Da Reya」というブランドの比較である。

ご覧の通り並べてみると非常に興味深い共通点が見つかった。

 

イタリアのデザインは、ドイツのミニマムで機能性的なデザインでも北欧の暖かなクリエーションでもない。「イタリアブランドにとっては、美しさそのものも機能であり、楽観的であることが大切なのだ。それに加えてラテン系らしく楽観的で生きることの喜びをデザインに取り込んでいる。(クラウス・ブッセ氏)」

抽象的な「美」も具体的な「機能」の一つとして見なすところが我々がカッコ良いと感じるイタリアらしさで、もう一方の機能はイタリア人の気質から生まれた「楽しさ」である。「食べて恋して歌って(マンジャーレ・カンターレ・アモーレ)」は彼らの人生に対する「楽しみ方」をストレートに表現している。なんとも羨ましい!この「美」と「楽しさ」をブランドの中に「機能」としてバランス良く取り入れているのがイタリアデザインの「魅力」だと思う。

 

では大阪カクダイの「Da Reya」はどうだろう。このシリーズは「誰や!パイプを上向きにしたん?」これがこのブランド名の由来である。実に面白い。僕は好きだ。アルファベットで「Da Reya」とネーミングしたところも非常に感覚が良い。

インパクトはAlessiと変わらない。大阪ならではの文化「お笑い」は人生を楽しく愉快にしてくれる。大阪の経営資源に歴史が作り出した「お笑い」が存在し、その経営資源の「お笑い」を機能としてブランドに取り入れたのがこの「Da Reya」である。水栓金具市場という差別化が難しい市場に、使うという「機能」に「面白い」という「機能」を初めて兼ね備えたキラリと光る(クスクスと笑える)ブランドなのだ。しかもこのブランドは市場の「価値軸」も変えてしまっている。

 

Alessi、Da Reyaは自国が持つ歴史的な特徴を「機能」としてブランドに取り込んだところにブランディングデザインの奥行きの深さを感じる。歴史は真似する事ができないのだ。AI やIOT が作り出せない歴史だからこそ惹かれるのでなないか。

 

ブランドにとって「魅力」は必要不可避のものだ。この魅力の根源は「経営資源」の中に潜んでいる。時を刻んできた「歴史」をもっと深く理解すれば新しい「魅力」を教えてくれるに違いない。なぜならブランドや企業の歴史は呼吸して今も生きているんだから。

 

Alessi

https://alessi.jp

Da Reya

https://kakudai.jp/pickup/dareyamovie

 

 

 

0 コメント