APPLESTEVE JOBS の罠にはまってしまった!   

         

 

STEVE JOBS の罠にまんまとはまってしまいました。

 

プレゼン用にipad を買って、iphoneAir Macicloudで同期化させると便利で面白く使えるようになったのです。しかし僕のメインコンピューターはWINDOWSですからipad iphone AirMac との互換性がなく浮いてしまったのです。つまり新しい情報やアイデアをWINDOWSだけが共有できなくなったのです、僕のメインコンピューターなのに。うーん、どうしようかな?クライアントさんは皆さんMAC使っているし・・・・・(これはいいわけ)

 

気付くと銀座のAPPLE STOREPOWER BOOK のコーナーの前に僕は立っていました。そしてスタッフに言いました「POWER MAC 下さい!」

あつ!買ってしまった!(心地良い後悔)

 

それで折角ですから何故僕がMACに魅かれていくのかを考えてみることにしました。MACに投資した分を「感性マーケティング分析」で価値として生み出すことにしたのです。

 

まずは何と言っても、僕の心にはAPPLEや彼の様々な言動が刺さっていたのです。

 

つまりそれは心に既にフックが刺さっていたのです。フックとは商品の背景にある「STORY性」の事を言います。例えば「友人以上恋人未満」の商品が世の中には結構多いのです。この感覚は「いいなとは思うけど買うまではない」という感覚です。「真面目男」は中々恋人が出来なかったりしますが、「いい女」と呼ばれる女性には「えっなんであんな奴が!」

という男性が恋人の場合が多くみられます。これはその女性の心に、そのあんな奴のフックが掛っているからです。「あんな奴」は例えば「過去があるように見える」とか「孤独」とか「陰がある」とか一般価値感外の要素ですが、その女性にとっては「真面目男」よりも「魅力」を感じるからです。

それは「差別化」であり女性にとっての心地良い「魅力のエッセンス」なのでしょう。

 

しっかりしたマーケティングやって真面目に商品開発して適正な宣伝かけてデビューしても売れないのは、消費者の心に「フック」がかかるものが無いからです。

 

MACについては、このフック僕の心の中に沢山かかっていました。

STEVE JOBSの言動や情報の中に沢山のフックが仕込まれていた気がします。

僕にとってのフックを折角「罠」にかかったので羅列してみます。

 

  APPLEというネーミングが好きです。(BEATLESを思い出すからでしょうか)コンピュータらしくなくて好きです。

 

  APPLEのリンゴのカジられたデザインが好きです。これは「ギガ」という単位をデザインしたもので、英語のカジルという意味の「ギガ」をデザインに表現したものです。この遊び心に共感を覚えます。

 

  APPLEを設立して自分がペプシコーラからヘッドハンティングした人からクビになった。新会社も成功してまた戻ってくるのです、しぶとい人です。生き方に都市伝説的な興味を感じます。

 

  分厚い商品説明書が無い事。これは凄く大きなフックです。なぜならば人間本来の感性がほぼ同じであることをSTEVEは知っていたと思うのです。説明書はないので最初はどうしようと思いますが、「これをクリックしてここに持っていくと画面が変わるといいな」と思って操作するとなんとイメージ通りに変化するではありませんか!ここで作り手と使い手の「感性の同期」を実感できるのです。誰もが思うような感性インターフェイスがMACには備わっているからです。WINDOWSが「ロジカルシンキング思考」だとすればMACは「感性思考」で作られている気がします。だからMACを使う人は「デザイナー」や「アーティスト」が多い理由の一つだと思います。もちろん彼らは「形」から入っていきますから、僕と同じく①②も大きく関与していると思われます。

日本のIT企業にかけているのはこの部分です。「技術」さえ最高であればいいと思っているのが大間違い。APPLEは新しい技術は開発していませんが、「感性」を基軸とした斬新なインターフェイス「組合せ」を開発しています。小さな子供さへipadですぐに遊べるのがこの事を証明しています。

 

  シンプルでシャープで未来志向のデザイン性が好きです。今でこそ各パソコンはデザインに投資するようになりましたがそれでもまだまだだと思います。人を好きか嫌いになる要素の80%は第1印象だと云われています。どんなに「良い人」でも第1印象が悪ければ、受け入れられるのに時間がかかってしまいます。この第1印象はデザイン力です。「技術」があって「高いパフォーマンス」があったとしても第1印象のイメージが悪ければフックはかかりません。

 

  パッケージが好きです。シンプルで解りやすくてカッコいい。MACPACKAGEを開ける瞬間が好きで、YOU TUBE に投稿している人もいるくらいです。このPACKAGEを開けてみてもシンプルで余計なモノがはいっていない。他社のPACKAGEはゴミとして捨てますがMACPACKAGEは捨てる気にはならない。FIRST IMPRESSIONの重要性をSTEVE JOBSは十分に理解していた人です。

 

  STEVE JOBSPRESENTATIONが大好きです。企業の代表者がジーンズにT-SHIRTS姿で現れて、わくわくするような言葉を用意して全く新しい新商品を紹介する。この行為自体が大好きです。新商品が店頭でDEBUTするときはAPPLE STOREには前夜から行列が出来て一番ノリを競い合います。そしてOPENするとお客様とスタッフが「ハイタッチ」して感動しSHOPに入り商品を購入します。こんな風景が見られるのはMACだけです。多くの人々がSTEVE JOBSの仕掛けたフックにかかっているのが解ります。日本の大企業にこういうことが何故出来ないのか不思議でなりません。遊び心や面白みや楽しみが全く感じられないのです。遊び心が無く保守的で暗い顔の企業が創るものに消費者が感動する事はありません。

 

余談ですが、TVで見る東電の代表者たちの態度を見ると腹が立って来ます。

自分をなに様と思っているのでしょうか?滋賀県の教育委員会しかり。この部分はかなり憤りや怒りを感じています。

 

  STEVE JOBSはカリグラフィーの勉強をしていました。僕は彼が色んな事を気付いたのはカリグラフィーが原因だと思っています。カリグラフィーとはアルファベットの書道の流派のようなもの。パソコンで「フォント」として取り入れたのがSTEVEなのです。それは「書きたい文章」「提案したい事柄」つまり文字にもそれにふさわしいTPOがありその種類がカリグラフィーとしてデザインされて、紀元前からの歴史を持っているのです。「文字の形」を一目見ただけで(FIRST IMPRESSION)どんな内容か察しがある程度は付きます。著名なブランドのロゴが高く見えるのはこのカリグラフィーのデザインが大きな理由です。美しいカリグラフィーが人に与える印象の力を彼は感じていたのだと思います。だからFIRST IMPRESSION(第1印象)にとても気を使って市場と接しています。

フランスの新規ブランドの仕事をしていますがブランドコンセプトと同時に、ブランドデザイン、カリグラフィーデザイン、ブランドカラ―と決定して、そしてその後にコレクションの開発が進んでいきます。「イメージ」から入る典型的なヨーロッパブランドの方法です。日本のブランドも開発の入り口を変えればいいと思います。まず先に商品を開発してあとからブランド名やロゴを考えるのが日本のやり方ではないでしょうか?ブランドにふさわしい「イメージ環境」がまずは重要なのです。

 

  「優れた芸術家は真似る。偉大な芸術家は盗む。」(ピカソ)

STEVE JOBS は経営者というよりもアーティストに近いと思います。APPLE2の丸みをおびたスケルトンスタイルを思いついたのはメイシーズのキッチン道具売り場なのです。ひらめきのきっかけになったのはスケルトンで丸い形のフードプロセッサーです。STEVE JOBSもまたエジソンやピカソと同じように、常識の外側にひらめきのヒントがあると言っています。

そしてそこにINNOVATIONの入り口が待っているのです。

誰もがそこには中々いけないので「近くて遠い」入り口なのでしょう。

 

  STEVE JOBS は商品開発をするにあたり、コンペチターが外部のマーケティング会社に多額の投資をして消費者ニーズを探そうとしていたのも関わらず消費者リサーチを一切行う事をしませんでした。彼の信念に「自分が気にいれば消費者も気にいるはずだ」という強い思いが実在したからです。全く彼の「審美眼」「感覚」「感性」によるPRODUCT OUTの世界です。この「審美眼」に注目しています。PRODUCT OUTの世界はアーティストの世界です。エルメスやフェラリーも同じく経営のトップの「審美眼」に委ねています。実は確立されているブランドはPRODUCT OUT思考であり市場調査などのマーケットインの手法は取っていないのです。マーケットインは分析主義ですから同じ発想の商品しか生まれて来ません。

 

 

以上思いつくだけで10つのポイントを書き出しましてみました。かなり僕の心にフックが掛っているのが解ります。そしてそれぞれのフックに「ブランド」として成り立つ要因が見えて来ます。

 

 

 

APPLE STORE の話)

 

APPLE STOREのスタッフにPOWER MACを買った際に、「STEVE JOBSの罠にかかってしまったよ」というと、とても嬉しそうな笑顔で「ありがとうございます」と言ってくれました。ここのスタッフは全員STEVE JOBSが大好きな人たちです。大好きなブランドに従事するとこんないい笑顔になるんだなと実感できます。

 

APPLE STOREのスタッフの服装はAPPLEロゴ付き青のT-SHIRTSとジーンズです。ステンレスの無機質な環境の中でこのカジュアルな服装はよく似合います。もし彼らがスーツ姿だとMACの良さは伝わらないと思います。そしてこのT-SHIRTSのロゴはプリントではなく「刺繍」なのです。これにはびっくりしました。プリントは同じ型があれば容易く生産出来ますが、刺繍の場合は手間がかかります。殆どの人が気付かないところにまで気配りする「感性」の高さに驚きです。MACの価格はファッションブランドで捉えると「LUXURY BRAND」です。これを前提とすればSTAFFの接客の優秀さもAPPLEのロゴも当たり前の表現だと思います。

 

APPLEAIRの不具合相談に行った時の話です。

 

自宅では不具合が出るのですが、APPLE STOREのカウンターに行って再生しようすとするとどういうわけか不具合が出てこないで正常に動くのです。「おかしいな、

今朝は全然駄目だったのに・・・」というとSTAFFの男性がこう返事をしました。

「ここに連れてくると正常に動く「子」が多いんですよ。病院に行くのは人間もパソコンも怖いんですよ。」

パソコンの事を「子」と表現したのです。しかも人間と機械の思いが同じだと。これは商品に対する愛情の深さを表しています。ファッション業界でも商品NOをつけずに「名前」で呼ぶケースがヨーロッパのブランドではよくあります。自分が扱う商品を「子」と呼べるような「商品」と「STAFF」の関係に感動を覚えました。そういえばあの大宇宙航海を果たした「はやぶさ」もそうでしたね。いつの間にか「機械」が「男の子」になっていた。

参考:2010年宇宙の旅はやぶさの贈り物http://www13.jimdo.com/app/s06844ea99f79ffae/p60f309d128c7f94d/

 

 

STEVE JOBSの言葉)

 

「海軍にはいるぐらいなら海賊になったほうがましだ」

シビレル言葉ですね!

 

まさしくTHINK DIFFERENTです。

 

THINK DIFFERENTにはINNOVATIONが潜んでいます。