イタリアのAlessi & 大阪の Da Reya

イタリアのブランド「Alessi」と大阪の水栓金具メーカー、カクダイの「Da Reya」というブランドの比較である。

ご覧の通り並べてみると非常に興味深い共通点が見つかった。

 

イタリアのデザインは、ドイツのミニマムで機能性的なデザインでも北欧の暖かなクリエーションでもない。「イタリアブランドにとっては、美しさそのものも機能であり、楽観的であることが大切なのだ。それに加えてラテン系らしく楽観的で生きることの喜びをデザインに取り込んでいる。(クラウス・ブッセ氏)」

抽象的な「美」も具体的な「機能」の一つとして見なすところが我々がカッコ良いと感じるイタリアらしさで、もう一方の機能はイタリア人の気質から生まれた「楽しさ」である。「食べて恋して歌って(マンジャーレ・カンターレ・アモーレ)」は彼らの人生に対する「楽しみ方」をストレートに表現している。なんとも羨ましい!この「美」と「楽しさ」をブランドの中に「機能」としてバランス良く取り入れているのがイタリアデザインの「魅力」だと思う。

 

では大阪カクダイの「Da Reya」はどうだろう。このシリーズは「誰や!パイプを上向きにしたん?」これがこのブランド名の由来である。実に面白い。僕は好きだ。アルファベットで「Da Reya」とネーミングしたところも非常に感覚が良い。

インパクトはAlessiと変わらない。大阪ならではの文化「お笑い」は人生を楽しく愉快にしてくれる。大阪の経営資源に歴史が作り出した「お笑い」が存在し、その経営資源の「お笑い」を機能としてブランドに取り入れたのがこの「Da Reya」である。水栓金具市場という差別化が難しい市場に、使うという「機能」に「面白い」という「機能」を初めて兼ね備えたキラリと光る(クスクスと笑える)ブランドなのだ。しかもこのブランドは市場の「価値軸」も変えてしまっている。

 

Alessi、Da Reyaは自国が持つ歴史的な特徴を「機能」としてブランドに取り込んだところにブランディングデザインの奥行きの深さを感じる。歴史は真似する事ができないのだ。AI やIOT が作り出せない歴史だからこそ惹かれるのでなないか。

 

ブランドにとって「魅力」は必要不可避のものだ。この魅力の根源は「経営資源」の中に潜んでいる。時を刻んできた「歴史」をもっと深く理解すれば新しい「魅力」を教えてくれるに違いない。なぜならブランドや企業の歴史は呼吸して今も生きているんだから。

 

Alessi

https://alessi.jp

Da Reya

https://kakudai.jp/pickup/dareyamovie