「月」のリブランディング


 
月には「水」がないと教えられていたが、「大量の水」が月にはあるという事をNASAが発表した。鉱物やガラスの結晶に水が含まれているそうだ。地質学者のフランシス・マッカビン氏は、月の内部にある水をすべて取り出したなら、月面全体を覆う深さ1メートル弱の海ができるという推測を発表している。(参考記事:「月の水は予測された量の100倍?」)
「無い」とか「見えない」物や事が、あったり見えたりすると心に深い「フック」がかかる。「へ〜水があるんだ!」印象が深くなり新しい「月」のリブランディングが始まる。
ブランディングとはそのIMAGEを根づかせる事なのだ。
NEW YORK で生まれた「エバーレーン」というファッションブランドがある。今まで公開する事がなかった商品の「原価構造」をWEBで公開して顧客と「真実の価値」を共有するという新たな方法でブランディングを始めている。
つまり原価は企業秘密で公開しないのが「一般常識」だった慣習を壊し「公開」してしまったのだ。原料+付属+パターン+縫製工賃+物流コスト+会社マージンをWEBで公開したのだ。アウトレットやファストファッションが広まり「服の価値」が不透明な時代に「原価構造」を見せて適正なマージンで人件費やデザイン開発費を賄っている「現実の姿」を伝えた。このブランドはコストを徹底的に削っているので販売のためのショップはなく予約制の「SHOE ROOM」があるだけだ。そこで顧客はデザインや素材、そして「原価構造」と「サイズ」をチェックして、適正な価格であるという事を確認したうえでWEBで購入する(もちろん自分に似合っていることが条件)と商品が自宅に届くという仕組みだ。「永遠に着れる服」という意味のこのブランドは高級な素材と普遍的なデザインと高い縫製力を持つブランドだ。販促費を削除しているために「Luxury な服」を「価値価格」で手にいれる事ができる。「原価構造」を共有する事は「価値」を共有する事に他ならない。そしてブランドに不可欠な「信頼」がそこに生まれ共感が生まれて自然発生の「SNS」「口コミ」が広がる。一般常識を破って新しい「信頼」という価値を顧客と共有する斬新的な新しいブランディングの技術だ。
当たり前と思っている「事」や「物」や「慣習」。ロジカルシンキングで守られている「規則」。その固まった物を「外す」「削る」「逆さ」「裏に」などのコンセプトをいれていくと新しい「価値」は必ず生まれる。
もちろんそこには「勇気」と「情熱」が必要ではあるが「SOMETHING NEW」がそこに待っている。