「水曜日のネコ」

SUIYOUBI NO NEKO

 

美味しくて可愛くてなんだかホッとするビールなのである。

http://yohobrewing.com/suiyoubinoneko/

パッチワーク顔のネコのイラストが秀逸で文句無く可愛い。イメージが北欧風の顔をしている。

キレとかコクとかプリン体ゼロとかプレミアムとか熟とかいう大きな会社の「味」や「機能」のコンセプトを反映した陳列棚の中で、ぽつんと佇んだ「水曜日のネコ」はホッとする風景であった。まるでそれは、窮屈なおじさん社会の中に現れた「癒しネコ」のように見えた。

 

京急のWING号の窓側の席で飲みながら考えた。

「水曜日のネコ」のPHILOSOPHYは、週の真ん中に「頑張って水曜日まできたよ。ホッとしたよ」というような若い層の特に女性に向けて企画されたビールだと思う。

多分女性がアイデアの開発したのではと感じた。今迄の「味」「機能」一辺倒から「水曜日」という限定日と

ビールとは直接関係ない「ネコ」を起用したところが素晴らしい。ビールの企画のINNOVATIONだと思う。

 

つまりこれは消費者の味機能志向軸からライフスタイル軸へ「価値軸」をずらしたのだ。「価値軸」をずらすと新しい「顧客」が生まれる可能性が高い。

 

例えば掃除機に機能でINNOVATIONを起こしたDYSONは「男性顧客」を生み出し、登山やカメラにファッション軸を取り入れて「山ガール」「カメラ女子」を生まれた。「水曜日のネコ」は株式会社ヤッホーブルーイ

ンクだ。http://yohobrewing.com

 

ヤッホーブルーインクの井出社長はこういっている。

「同じクラフトメーカーや大手ビールメーカーがライバルという概念は捨てている。我々のコンペチターはテーマパークのようなエンターテイメント企業だ。」ビール会社がライバルは東京ディズニーランドだと言って

いるのだ。実に面白いと思う。価値軸をエンターテイメント軸にズラスと今迄お酒をあまり飲まなかった若者や女性層に指示される可能性が高い。

 

この企業がしたたかなのは「味」に自信がある事だと思う。

「水曜日のネコ」はベルギー生まれのベルジャン・ホワイトエールエールというスタイルだ。アロマの香りが際立つ。かなり「味」に自信があるがそこは「当たり前価値」とし、

差別化をアピールするのは、「魅力価値」として誰もやっていないエンターテイメントの価値軸を取り入れたのだと思う。

 

ビールの歴史は男社会だ。「男は黙って・・・・・」のキャッチコピーが印象に残っている。すなわち、男性の企画開発者が多く市場リサーチをかけて分析するから「味」「機能」が似通った商品しか開発されない。そこに「女性」を開発者にしたところにこのビールの「魅力源泉」があると思う。

左脳から右脳への変換が生み出した「魅力商品」である。

 

開高健が言っていた。

「日本社会に足らないのは粋なジョーク」だと。

固定観念を破る「創造性」は粋なジョークが母体である。

 

198958歳で開高健は亡くなった。

そろそろ鎌倉建長寺に行かなくては。