innovationの本質

「イノベーションの本質」

JALの再建は経営理念を決める事から始まった。
つまり企業の哲学 アイデンティティを真っ先に決めたのだ。
企業やブランドのコアはこの理念 哲学 アイデンティティである。
ここを刷新することは既存のものを全て否定して新たにブランディング
することに他ならない。JALは稲盛和夫さんによって経営理念を刷新
して蘇った。新たに「人」が蘇るようなものだ。

本田 松下 日産という大企業もイノベーションを起こした。

本田は本田イズムの象徴であるワイワイ会議や勘 経験 度胸を否定して、
川本氏が独裁者の如く意思決定を果敢に行い、新たにTQM総合品質管理や
年棒制を導入して本田宗一郎の創った理念を壊し再生を計った。

松下は名前さえもパナソニックに変更した。松下を一旦やめ再入社した
山下氏と中途入社の谷井氏 が断行したのだ。名前を変える勇気は如何程
のものだったのだろう。しかもあの松下幸之助が創った松下という名前
を変えたのだ。未来への夢と勇気と度胸が無ければ出来る事ではない。

日産はカルロスゴーンがイノベーションを起こした。社内の日本人では
わかっていても枠や伝統や慣習や義理人情に囚われて改革は断行出来な
いのである。わかっていたことをカルロスゴーンはぶれることなくやってのけた。

大きな4つの企業から見えるのは、組織のDNAを完全に持っている人が
起こしたわけではない。今までの成功体験を否定して企業のコアである
企業理念まで立ち入り、ブレることなく企業名を変え組織を変え意思決定
を簡素化し、全組織の順応性を見ながらあるべき姿に変えたのは客観的に
組織と環境が見える社内DNAを持たない人たちだ。

しかしどの企業も環境の変化を見越して先に変革したわけではない。環境の
変化に順応出来ない組織に耐えれず変化する事が求められて変革を断行したのだ。
成功体験を持つ大きな組織であればあるほど先に変革を起こすのは難しい。

しかしアップルやダイソンやイーアンマスクの企業はどうだろう。環境が彼らを
必要として創ったのではないだろうか?
アップルのスティーブジョブスは日本の電機企業は死に絶えていると看破していた。
彼には見えたのだろう。時代の変化について行けない企業の本質が。それは単独の
物や事の優位性で価値を生み出していた時代から、異なる物や事を組み合わせて
魅力価値を高めるという発想だ。

ますますこの流れは速く大きくなっている。
企業だけではなく「ブランド」や「人自身」のブランディングを見直すのは今だ。