日本人と時間の歴史


日本人が世界で最も時間を守り正確に運営すると云う事は知られています。いつから日本人は時間を守るようになったのでしょう?

例えば「鉄道が時間に遅れるとう単位」を比較した資料があります。

 

日本=1分以上  ドイツ=5分以上  イギリス=10分以上  イタリア=15分以上


先に時間のシステムを創った先進国が守れていないのです。

守ろうとしていないのかもしれませんね。


 フランス人主宰のパーティーに呼ばれたことがあります。

案内に7:00と書いてあったので7:00にお伺いすると「えっ」てな顔をされて通されました。 フランス人の友人からエチケットとして30分は遅れていくのだと後で聞きました。主催者の用意が遅れる事を予測してとか。だったら最初から7:30にすればいいと思うのですが・・・。多分7:30だとしても800がエチケットだと云う事になるのでしょうね。(笑)

彼らは守ろうとはしていません。


それでは日本はいつから時間に厳粛に成ったのでしょうか?明治初期に日本に来たオランダ人技師たちは、時間を全く守らない

日本人の悠長さに呆れ果てたという記録が残っています。定時法の導入や時計の普及や西洋の正確な時間システムを取り入れた後も、日本の鉄道は30分程度は遅れるのが当たり前であったし、工場の労働者の遅刻が横行していたそうです。そこで大正時代に政府が「時の記念日」を制定するなどして国を上げて時間規律の浸透に力を入れたそうです。その結果ようやく鉄道や工場の時間が守られるようになったのが昭和初期、わずか90年ほど前の事なのです。


面白いのは先に時間の正確なシステムを作った西洋文化の国々は、未だに時間を正確に守る事は出来ていないという事です。

一緒に仕事をしていますと時間に対してゆるさを持っている事が伝わります。しかし会議の相手が時間に遅れて来ても責めはしません。それは時間に支配されているのか、時間を支配されているのかと言う気持ちの差があるのではないかと思います。しかも個人主義の国ですから自分から時間に歩み寄ることは中々ありません。


日本では、時の記念日の「時間を皆守りましょう」というキャンペーンに、本来の国民性として皆が同じでなければいけないという気持ちが反映して国民のお互いが時間に厳しくなったのではないでしょうか?

守らなければ「信用」や「信頼」を得ることが出来ないのも事実です。


遡って江戸時代はもっと時間に対して「おおらか」な国民で少々遅れても社会全体が認め合うような社会であったと思います。

時間の価値自体もそんなに窮屈ではなかったのでしょうね。れが近代化とともにどの先進国よりも「時間に厳格」な国民に変化して行ったのです。そして「全体主義」が台頭してきたのでしょうか。インターネットの浸透はより時間を更に「秒単位」で短くしています。


 我々人類は、「時間の規律」や「インターネット」を創りました。創った「時間の規律」や「インターネット」に我々は従って生きていなければいけない社会になっているような気がします。


少し「緩やかな時間」も必要な時代かと思います。

なにもしないゆっくり流れる「時間」が必要な気がします。