型を作らない自由な戦略的発想

 

  シャビ セスク等の小柄な選手が大柄な選手を相手に、イマジネーション豊かなパスとドリブルで形を崩してしまうところ。

そして「型」を作らないところです。決勝のイタリア戦では、FWを置かなかった!

小柄なMF6名にしてイタリアを翻弄してしまったのです。

 

シュートのプロフェッショナルのFWを外したのです。

サッカーの「常識」や「固定観念」の枠を外してしまいました!

 

このルーツはオランダの「スペクタクルサッカー」にはじまります。ゲームの流れに順応して各自の役割を決めずに、全員で「攻撃」し全員で「守備」をするのです。

スペインは、この「臨機応変力」と思いがけない場所への「スルーパス」をいつも狙っています。相手が思いもよらない場所へのスルーパスは選手の「イメージ力」の産物です。この優れた能力を持つ選手は「ファンタジスタ」と賞賛されるのです。

 

「イメージ力」は感性がもたらすものです。

 

ロジカルシンキングで思考していると答えは同じですから、相手も同じ答えですのでパスカットされてしまいます。

 

ロジカルシンキングで企画会議が進められています。市場の動向データ、自社ブランドのデータ、コンペチターのデータ、マーケティングのデータ、それは「分析至上主義症候群」です。業界自体の使用する基本データが同じですからロジカルシンキングで思考すれば、「だからわが社の戦略は・・・・」とは言っても結果は同業他社も同じような戦略を導くのです。また「僅かな差別化」の成功は真似されやすく、継続的な有利性があるわけではありません。

 

日本のIT企業がAPPLEにやられたのは「ロジカルシンキング」と「分析至上主義症候群」が大きな原因だと思います。

 

感性マーケティングは「THINK DIFFERENT」です。

 

サッカーの試合は流れが激しく変わります。これは「市場」が変化する事と同じです。

この環境の中で有効なのはスペインサッカーです。市場の動きに合わせて「価値軸」を絶えず変化させていくのです。そこに必要なのは「感性」です。つまり変化を察知する

「受動的感性(インプット感性)」です。そして「ファンタジスタ」のような「創造的感性(アウトプット感性)」が新しいINNOVATIONを生みだしていくのです。

 

「感性の種類」(参考)

http://www13.jimdo.com/app/s06844ea99f79ffae/p3239f554322b37df/

 

 

 ヒクソングレイシーを御存じですか?

 400戦無敗のヒクソングレイシーは「グレイシー柔術」の達人です。彼の強さの秘密は自分の「型」を作らない事なのです。相手に合わせて彼は「龍」にも「虎」にも「鷲」にもなれるのです。相手はヒクソングレイシーの本当の姿が見えにくく予想し難い。ヒクソングレイシーは相手が固定した「型」をもっているので柔軟に対応できるのです。

彼はこう言います。

 

「型を作ると自分もその型の中に入ってしまう。そうすると自分はこれでいいと思ってしまい新しい技を身につける必要性を感じなくなる。つまりそれ以上強くならない。」

これが400戦無敗の秘密です。

 

「型」を作らないで環境に合わせて自分の強みで相手に戦うところは、スペインサッカーと同じです。「型」を守ることが「勝利」へ繋がることではなく環境に合わせて「型をフレキシブルに変化させる」事が「勝利」への道なのです。

 

しかし「組織」はどうでしょうか?組織は「型」を重んじるのです。組織が大きければ大きいほど硬直化してしまう。そして「中間管理職」なるものが生まれ「管理が仕事」と思ってしまう。現場は評価を握っているのは管理職だから、自分の評価を上げようと市場と違う価値観で仕事を行う。ここには「ファンタジスタ」は生まれません。生まれたとしても壊されてしまいます。その上に日本は「男性社会」ですから「変化」することを嫌います。

 

ここに日本で中々INNOVATIONが生まれない理由があります。

 

あなたの組織は大丈夫ですか?

 

組織は「型」 を重んじます。しかし大切なことは変化する環境に柔軟に対応する事であり型を守ることではありません。その型の中にいると、何時の間にか同じ型になってしまいます。