「美」はあらゆる分野の最大公約数である

 

 

マカロンのラデュエのお話です。

お洒落で可愛いマカロンは女性から圧倒的な支持を得ています。

その中でラデュエは日本で最もいいイメージで浸透しているブランドではないでしょうか。

ラデュエはお菓子メーカーの名前です。日本でいえばグリコや明治と同じなのです。そのお菓子メーカーのラデュエがライセンス契約で新しい市場を拡大しています。お菓子メーカーのラデュエの名前で「ハンカチ」「バッグ」「雑貨」のライセンス契約でラデュエのマカロン以外のカテゴリーで市場を拡大しているのです。グリコの名前で「ハンカチ」「バッグ」をライセンス販売している事なのです。しかもラデュエは本来「ハンカチ」「バッグ」など販売していませんから日本独自の商品として販売しているのです。

 

「食」の企業がそのブランド力で「ファッション」の領域に侵入してきたのです。

 

そして新たに「香水」が登場したのです。

 

今までの一般論から言えば「食」のブランドが「香り」の分野に進出する事は出来ません。それはお互いにとって共存出来ないカテゴリーだからです。たとえばグリコのポッキーが香水をポッキーブランドでデビューさせると同じ事なのですから。

「食」には匂いはありますが香りは在りません。あえて言えばそれは「こおばしい匂い」というような食を増長させるような香りです。香水の香りは気持ちを変化させたり自己主張をするための香りですから根本的に「香り」の質が違うのです。

 

この香りへのINNOVATIONは難しいと思っていました。

本来のラデュエのブランドイメージも低下するのではないかと思っていました。

 

ところがこのラデュエの香水が売れているのです。

なぜでしょうか?

 

ラデュエの誕生は古く1862年です。

 

このブランドのコンセプトは「アール・ド・ヴィーヴル(美しき生活)」です。「楽しい食生活の提案」というような食カテゴリーにフォーカスしたものではなくてライフスタイルそのものをコンセプト化しています。ここに大きな秘密があります。美しい生活の中に「衣食住」があります。このコンセプトから言えばブランドとして「ハンカチ」「バッグ」そして「香水」がデビューするのも理解出来ます。商品価値構造のコアはそのブランドの「哲学」がなければいけません。まさにこの哲学にカテゴリーを広げる秘密があったのです。そしてラデュエは「美しい」を創業当時から守ってきた。つまりお客様からみて「美しい」いいイメージをもってもらうために企業努力を怠らなかった。「美しい」イメージは連想させると「ファッション」「インテリア」のカテゴリーに入る事が出来ます。「美」あらゆるものの最大公約数だと言えます。

 

参考:魅力について

http://connect-de-r1.jimdo.com/感性価値商品構造分析/力を設計する/

 

「香水」というのはファッションブランドが必ずやりたい分野です。シャネルも最初に創ったのは「香水」です。そこからイメージを創ってファッションに入っていったのです。多くのブランドはこれにしたがって成長してきました。ラデュエは「食」から「香水」に入ってきました。今は「ファッション」へも入る事が出来るポジションです。

 

成熟化の中でブランドの再構築を行っている企業が多々あるかと思います。改めて「商品価値構造」の「核」の部分「哲学」に立ち戻って企画をイメージすることが必要ではないかと思います。それぞれの「哲学」の中に「魅力」は眠っているのです。

大きな企業はブランドをもっと有効に使う手立てがあると思います。

日本の企業は「企業名」ばかりを投資していると思います。そのブランドにマーケティング投資を行うべきではないでしょうか。

 

(参考)LVMH 王国のきっかけ:

http://connect-de-r1.jimdo.com/blog/   

ワンブランドワンカンパニーで運営している事だ。つまり決してLVMHの宣伝に投資をしたりはしない。個別のブランドがワンブランドワンカンパニーでその各ブランドに対しての投資をおこなっている点だ。例えばトヨタを見てみると、トヨタのプリウス、トヨタのマークエックス、トヨタのクラウンという宣伝の仕方をとる。このTOYOTA の部分がLVMHになるわけだが決して、LVMHDIORとは宣伝しないのである。日本の企業が宣伝に劣る部分はここだと思う。企業の宣伝なのかブランドの宣伝なのかわからない。