DC07
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                 ダイソンしよう!

 

 

 

この掃除機の開発の歴史は言及されませんでしたが、Dyson氏は一人で8年間もの間、研究開発と営業を御自身でやりこなして事業を成功まで導かれました。この間、利益は一切出ていません。INNOVATIONは情熱と自信と粘りと資金が必要である事を教えてくれています。

(参考)逆風野郎!ダイソン成功物語 ジェームス・ダイソン 日経BP社

英国ではINNOVATIONを目指す事を「ダイソンしよう!」と言っているそうです。

 

開発コンセプト

開発コンセプトは’DIFFERENT and BETTER'です。APPLEのTHINK DIFFERENTを思いだします。STEVE JOBSとJAMES DYSONは似ていると思います。さて、dysonの人事評価基準にはspirit guideがあり全ては’DIFFERENR & BETTER 'を中心に評価されます。

・決して現状に留まるな

・リスクを恐れるな

 

TARGETは先進国、成熟市場

面白いですね、この市場は「レッドオーシャン」と言われて既存の大企業が苦戦をしているマーケットです。このマーケットをターゲットにしているのです。それはが出来るのは大企業と違うDIFFERENT & BETTERが出来るからです。それは「デザインエンジニア」中心の考え方です。企画の切り口が違えば

成熟市場のレッドオーシャンがブルーオーシャンになれるのです。

 

従業員の1/3の1600人が科学者

一般の企業では別部署で活動していますが、この科学者達はデザインとエンジニアを両方やります。dysonにとっては、デザインとエンジニアは密接につながっていますから分離する事はナンセンスなのです。考え方の違いはビジネススタイルの違いを生みます。

 

デザインは機能に従う

お客様に伝えたいことは「吸引力が落ちない掃除機(機能)」です。これがビジネスの中心にあります。機能を実現させるために様々な「技術」が開発されます。機能の周りを技術が取り囲んでいるイメージです。そしてデザインは技術に従い、技術は機能に従って開発されて行きます。最後の周りをPR宣伝が取り囲み、PR宣伝もまた機能に従います。

 

ICTDDサイクル

IDEA⇒CREATE⇒TEST⇒DISCUSSION⇒DEVELOPMENT

アイデアを思いついたらすぐにサンプルを作る、材料は段ボールでもなんでも構わない。とにかく形にしてみる事です。「絶対にゆるまいないネジ」の著者 若林克彦 (ハードロック工業株式会社)さんも同じことをおっしゃっていました。エジソンもまたしかり。思いついたらすぐにサンプルを形にする。企業文化として育てていくと強い企業になりそうです。

 

 

マーケットリサーチはしない

APPLEやエルメスと同じ発想ですね。PRODUCT OUT思考なのです。フォードも同じことを言ってます。「もし顧客に何が欲しいと聞いたら足が速い馬が欲しいと言っただろう」

まだ見ぬ新しいものの開発や消費者を驚かすほどの製品開発には必要不可欠なデータはないとdysonも言っています。

 

ideaの着眼点

長い間変化のない技術や製品の市場です。

掃除機 扇風機 洗濯機 冷蔵庫 いわゆる「白物」と言われている市場ですね。この分野の商品をdysonのエンジニアがDEFFERENT & BETTERのコンセプトでリサーチするのです。開発のアイデアが溢れて出てきそうですね。しかし日本の企業はなぜこれが出来ないのか?ここに大きな問題がありそうですね。

*ダイアモンドのカットにも当てはまります。ラウンドブリリアント58面体は200年前に遡って変化していません。かつて86面体114面体224面体等の多面体のダイヤモンドのカットに携わった事があります。この変化に対して、男性は拒絶反応を起こしましたが、女性は「新しい輝き」を理解して商品化に成功したことがあります。アラブ諸国にも販売しましたが、彼らはカットよりもむしろキャラット(重さ)が価値基準の全てでした。

 

 

自分の直感を信じる

ゴミがたまる部分をクリアピンと呼びます。ここにゴミを溜めるわけですが専門家の意見では「ゴミは不快だから見えなくするべきだ」というものでした。しかしdysonは「ゴミが溜まるのを可視化することは楽しい」と判断してスケルトンにしました。そしてそれが消費者の心をつかんだのです。

まさに DEFFERENT & BETTER コンセプトです。

 

 

フラット型組織

dysonが全てのプロジェクトに係わり管理しています。

つまりその答えは別のプロジェクトの中にあるかも知れないのです。これはエジソンの発明のやり方と同じです。目の前のプロジェクトではないプロジェクトに発明の答えはある可能性が高いのです。

またideaの循環をさせるために、ある一定の場所に同じ人がいる事はありません。つまり絶えず環境を変え価値観を変える人事がおこなわれているようです。

 

 

エアーマルチプライアーの開発

1882年に扇風機は誕生しました。以来、根本的な構造は全く進化していません。ここに目を付けて開発されました。

(扇風機の目的)

風を送って涼しくする

(手段)

プロペラを回して風を起こす

(DEFFERENT&BETTER)

扇風機のコアのプロペラを外してしまえ

(アイデア)

ジェット気流をおこす

(気圧のバランス)

フクロウの羽根の形状からヒント

(INNOVATION)

風むらがない 子供に安全 メンテナンス簡単 インテリアとして美しい

 

 

dyson デザインエンジニア志向

自ら楽しんで楽しみながらcreationをおこすこと

 

 

最後に価値の根源についてjames dyson氏も言っています。

コネクトが説明した表現と全く同じでしたので再度ご紹介します。

 

桃李不言 下自成蹊 (中国)

桃李もの言わざれども 下自から蹊を成す

(有徳の人の元へは自然に人が集まる)

桃やすももは元来が美味だから、別に人を集める工夫をしなくても

事前に人が集まり、その歩いたところが道となる。

 

(参考)

http://connect-de-r1.jimdo.com/商品の本質/価値の根源/