価値を中心に考える  

       

 

60年の実績を持つ、研究開発型の精密切削加工に特化した町工場です。この特化した技術力で独自の市場価値を確立されておりJAXA等の最先端技術が必要とされる企業です。「特化した技術力」と「絶えず新技術を開発するDNA」これがこの会社の大きな魅力です。絶えずINNOVATIONを目指している会社と言っていいと思います。

製品開発において「機能提供」から「価値提供」への転換がセミナーのテーマです。

 

 

「これがいい」「これが良さそう」「これでいい」の3通りに市場を分解されています。「これがいい」はiPHONE5のように主観的に「これでないといだめなんだ!」と強く思える商品のグループです。

「これが良さそう」はある程度の主観的な価値があり似寄りのものと比べて絶対的な差別的な価値は見いだせないのだけど比べる事で「これでいいか」と選ぶような商品のグループです。

セミナーではフライパンを購入する際の御自身の実体験としてお話しされていました。

最後の「これでいい」は「これでいいや」と大きな価値の差もないので価格優先で決めてしまうような商品のグループです。例えば「メモリーチップ」を購入する際に、機能は同じでネーミングが違うだ

けだと価格で決定するというわけです。どこのグループが優れているとかを説明している訳ではありません。あくまでも「分類」としてとらえて下さい。

 

「これがいい」は独自の価値がイメージ化されており比べる物がない程の強いイメージが刷り込まれています。マーケットの規模は小さい部分です。「これが良さそう」は絶対的な価格も価値も持ち合

わせてはいません。それで自分のニーズに照らし合わせながら選ぶグループです。そして「これでいい」はコストパフォーマンスだけで選ばれる商品グループです。

 

 

「これがいい」のグループはFerrari, Porsche, Lotus, Subaru,March, Mini, Fiat500, Cube,

 

主観が基準ですから「いや違う!」と感じるかたもいるでしょう。

「これが良さそう」のグループはBMW, Audi, Benz, Jagur,だんだん間口が広がってくる感じがしますがJagurはどうでしょう?マニアックな感じがしますので「これがいい」に入るのでは?

・・・これは主観での分析なのです。

 

「これでいい」のグループはVits,Note,VW,Cube,VWはヨーロッパでは大衆車ですが日本戦略では「高級車」イメージなのです。中国では典型的な大衆車として走っていますね。

日本の企業よりも先に中国に入っています。

 

そして面白いのが3つのゾーンで確立されたPRIUS でしょう。価値観という部分では「ECHO」という価値が「これがいい」でヒットしていますが、「燃費が良くてタクシーにも採用されている」というポ

イントではコストパフォーマンスが効いて「これでいい」に属すのです。3つのグループ全体をカバーする事は大きな市場を確保する事になりますが、必ずしも全てのブランドに適合しているとは言えません。ブランドの「質」の価値によって生存地位域は異なる事を見極めなければいけません。3つをカバーすれば大きな市場を確保出来る事は間違いありません。そして、周りの人が殆ど同じ物を持ったり付けたりすると必ず「逆流」が発生します。アンチ価値が生まれるのです。PRIUSの逆流は「魅力ある走りの本質」でしょうか?

 

 

それでは3つのカテゴリーを制覇したブランドを見てみましょう。

CROCS     価値・・・・・独特のカジュアルで楽しい世界観

      価格・・・・・低価格

      最近・・・・・オンリーショップの展開

iPHONE   価値・・・・・いつも何か新しい機能を提案している

      価格・・・・・価値の割には安さを感じる

  高価値の商品を大量生産によって価格を下げた

  高イメージのフックがかかっている

最近・・・・・iTVの期待感

UNIQLO   価値・・・・・インターナショナルなイメージ戦略

HEAT TECH   *実際に機能として暖かい

          価格・・・・・大量生産低価格

 

3つのブランドに共通しているのは「バランス」がとれている事だと思います。それは「商品イメージ」を高く維持してかつ「機能」が正確に機能して「価格」がこなれている事です。もし「商品イメ

ージ」がついてこなければヒット商品にはなっていないと思います。岡山で生まれたユニクロを小さな店から知っている人はいまも、いいイメージを持っていません。初めて知った人には世界に店舗を拡大しているユニクロにいいイメージを刷り込む事は簡単です。

イメージは1ST IMPRESSIONが非常に大切なのです。

 

 

この表の活用方法はチームで使う事をお勧めします。個々の「主観」で区分しますので「感性の擦り合わせ」が可能になります。また業界だけではなく他の分野でも区分けすると面白いと思います。必ず「区分した理由」を価値と価格とイメージの3つに分けて分析して下さい。チーム内でディスカッションすれば「感性の質」の擦り合わせが計れます。

是非チームで活用する事をお勧めします。