「ルミタン」

~予定調和を壊す新ユニット登場~

 

ルミタンを知っていますか?

AKB48の妹分のグループ?! あっても可笑しくない名前ですが違います!

ルミタンとは「ルミネ」(駅中ファッションビル)と「伊勢丹」(百貨店)のコラボレーションの店、それがルミタンです。従来の競合店という「枠」を越えて「共存」することで、更なる「魅力」をお客様にお届けする事が目的です。

 

コンペチターの意味を「敵対」ではなく「共存」に置き換えると面白いと思いませんか?

銀座も百貨店がしのぎを削っています。「銀座三越」と「銀座松屋」のコラボレーションが話題になっています。両社は隣接するロケーションで共に「上質なファッション」を打ち出していて顧客層・MD・立地環境も「コンペチター」でその魅力を競い合っていたのです。この両社はOL向けに共同買い付けやファッションショーなどのイベントを開催しています。お互いの店舗でお互いのPRまで始めたのです。敵に塩を送るどころか従来の敵の塩を自社で販売し始めたのです。

コンペチターの価値軸の「敵対」が「友好」「共存」に変化した一例です。

 

薩長連合も同じことが言えます。

敵対する「薩摩」と「長州」が友好関係を結び薩長連合を作ったのですから。もちろん坂本竜馬という固定観念の外で考える「仕掛け人」がいたからこそ実現した歴史のページです。この時、「日本国」の歴史が動いた瞬間です。

 

ひょっとしてこれを読んでいるあなたも同じ役割ではありませんか?

 

この3つの実例が教えるものは何でしょう?

従来の敵対するコンペチターが友好的に共存するのは、新たな「コンペチター」の出現です。ルミタンの場合は他の地域に負けない「新宿」を活気あふれる新たなアイデアに溢れる街にするための共同戦略がとられたのです。銀座の場合は世界中のファッションの競合店が銀座に集中して展開しています。百貨店としての魅力を高める為には「共存」することでお互いの価値を高めていかなくてはいけません。

薩長連合の場合の新たなコンペチターは「外国」でした。日本を守るために犬猿の仲の両者が手を握ったのです。3つの共通点は「敵対するものが共存しお互いの価値をあげる」です。

 

ここで問題があります、消費者は決してこの百貨店の立場を理解していないことです。これは売る立場の思考であって消費者は自分にとって最も適切な心地よいアプローをする企業が好きなのです。

外資も内資も関係ありません。

 

感性マーケティングの立場から言うとこれは「予定調和」を壊す行為です。

相いれない要素を持つ物同士が「結び付く」という事は、消費者や社会にとって「心にフック」がかかるからTVや雑誌でも紹介されるニュースとなりえるのです。ファンタフルフルシェイカーズの「振ってはいけない炭酸飲料を振らなければ飲めない炭酸飲料」に変えた「予定破壊」と同じインパクトがあります。この「予定破壊」を現在の企画や生活に反映する事は出来ませんか?商品の要素を分解していくと「タブー」と社内や業界で思われている「組み合わせ」が沢山あると思います。そこは多分、価値の宝の山が眠っている場所の可能性が高いです。この宝の山を発見するにはいつものデスクワークでは見えて来ません。立場の外に出て観察しなければ見えてこないものです。

 

坂本竜馬がなぜ薩長連合を思いついたか?

彼は組織の外にいたので「日本国」という大きな枠組みや守るべきものが見えたのです。薩長の血の歴史からすれば、大きなお互いの組織の中にいると「連合」などタブーどころか全く想像も創造も出来ないことでしょう。どの組織にも属さない竜馬だからこ「固定観念の外」で客観的に分析して想像し創造することが出来たのです。

「予定調和」を壊すという新しい「想像と創造」にチャレンジしてみませんか?

 

誰も他人のやり方を真似すべきではない。

なぜなら、真似をすれば、自然の子供ではなく、自然の孫でし

かない。我々には自然の形態が沢山与えられているのだから

直接自然に触れることが大事だ。

 

レオナルド・ダ・ビンチ