~きゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅ ~

 

              AKB48が大きくした「日本KAWAII文化」を分析してみます。

 

何だ!この長ったらしい不可思議なふざけたような名前は?

いったい誰なんだ?と思っているあなたに説明します。

 

きゃりーぱみゅぱみゅ(1993年1月29日[3] - )は、日本の女性ファッションモデル、歌手。主にファッション雑誌『Zipper』『KERA』『HR』で活動する青文字系を代表するモデル。アルファベット表記はkyarypamyupamyu。正式な芸名はきゃろらいんちゃろんぷろっぷきゃりーぱみゅぱみゅ(Caroline Charonplop Kyarypamyupamyu)。2012年8月、渋谷区公認の「原宿カワイイ大使」に任命その活動を開始している。彼女がブログで紹介したコスメや服は売上がいっきに増える(カラコンやムースパック、ローション、つけまつげ、チークなどを紹介している)。ファッション界のモンスターである。

(ウィキペディアより)

参考:http://kyary.asobisystem.com/

 

彼女の名前の由来は単純にカワイイと感じる言葉を集めて作ったそうです。つまり「カワイイ」という感性軸で言葉を集めて誕生したネーミングです。

 

KEY WORD⇒枠を外す 通常の枠を外した思考の創造物です。通常の記憶の「フック」はSTORY性がもたらしますがこの場合は、ネーミングが記憶に「フック」をかけるのは枠を外して作られた名前だからです。

 

 

ティーンエイジャーの雑誌が対象となる読者によって「赤文字系」と「青文字系」に分類されているのを知っていましたか?赤文字で雑誌名を書かれているファッション雑誌を赤文字系と言って女性が男性を意識した内容で編集されています。青文字系は女性が女性を対象として編集されたものです。

つまり彼女は「女性」に支持されているファッションリーダーなのです。

 

感性の質の変化は絶えず大きなうねりとなって消費者の価値軸に揺らぎをもたらします。この時代の「感性のうねり」は将来どこに何を及ぼすのでしょうか?

この世代もやがて将来の経済の中心消費者となるのですから彼女たちの感性を理解することは重要なことです。世の中の商品を購入する決定権を持つのは80%は女性なのですから。

 

この潮流の根底を考えてみたいと思います。

僕は秋元康氏のThink differenceの視点でクリエイトされたAKB48だと思っています。

秋元氏は「企画脳」(PHP)の中で、発想や企画は「自分が面白いと思った事を思い出す、あるいは記憶に引っかかっていたことを拾い上げる行為なのである」と説明されています。

「おニャン子クラブ」「とんねるず」「川の流れのように」「ジェロ」「AKB48」

秋元氏のPRODUCT OUT思考でヒットした「流行」の数々です。

 

つまりMARKET IN ではなくPRODUCT OUT 思考でクリエイトされています。STEVE JOBSに繋がる考え方です。STEVEも「海軍にはいるぐらいなら海賊になったほうがましだ」と考える絶えずThink Differentの思考をもつ人でした。これはロジカルシンキング「左脳思考」(記憶や計算)ではなく、感性シンキング「右脳思考」なのです。感性シンキングにはINNOVATIONが潜んでいます。

 

 

AKB 48.の流れを振り返ってみましょう。

秋元康氏のTHINK DIFFERENTで生まれたAKB48。マスコミやTVのハシャギ過ぎが目に付き過ぎて,もういい加減にブームは終わるだろうと思っていました。手に届かないアイドルより手が届く範囲のアイドルを作り出したのは、コンプレックスを感じるオタク男のパワーだと思っていました。

学園祭のノリで彼女達のジャンケン大会をTVで放映するのも電通の仕組んだワルノリだと思っていました。(尖閣諸島の問題で戦後最大の日中危機と言われた9/20もジャンケン大会を実施しています。緊迫した日本の危機の一日だったのですが。)

企業は彼女たちを多用して、どのCMもいつでも彼女たちだらけで、もう好い加減にしてくれと思っていました。今までのアイドルはなにかしらオーラがありましたが彼女たちには感じなかった。まさに素人に毛が生えた子達の演技にうんざりしていました。(ファンの方がお読みでしたら失礼しました)

 

そして僕は期待を込めて予測していました。

秋元康氏もご自身の文章で同じような事をおっしゃってた。

それは「やがて振り子が元に戻るように、友達感覚の軽いノリの実力も演技力もない彼女たちは振り子の反動で、キャリアのある正統派の歌手が本物の歌を復活してAKBの潮流は消えて行く」と言うことです。

その振り子の戻る合図は由紀さおりの世界的ヒットとなった「夜明けのスキャット」のリバイバルが合図だと思っていたのです。

 

ところがこの振り子は戻らないのです。

 

それはおたくの男の子のファンだけではなく、少し年上のOLの女性も彼女たちを応援し始めたのです。「夢を持って懸命に頑張る姿」このメッセージにこの女性市場が「同期」し始めたのです。つまり市場の受け皿が大きく拡大しているのです。それはカラオケでOL達が振り付けて歌い踊りストレスの発散にもなっているのです。そしてこの潮流は新たにモモイロクローバーZなど新たな学園祭グループがデビューを果たし、もっと大きな潮流となって価値軸と市場規模を上方向に引き上げて、枝葉をつけて世界的に拡大しているのです。

 

パリで開催された「Japan Expo」のイベント「HARAJUKU KAWAii!!!!」をご存知でしょうか?パリの若者15000名を熱狂させました。ネットで彼女のパフォーマンスは事前に知っていますから、日本と同じテイストの若者が集まってコスプレで歌って踊って大熱狂したのです。

日本の若者文化が彼女を受け入れるのは理解できますが、同じようにパリの同年代の若者にも

POPカルチャーとして受け入れられるとは思っていませんでした。

元来、パリは大人の町で日本のようにアキバ文化はありません。ここの僕の解釈が間違えっていたのです。それは、パリは大人の文化だから若いPOPカルチャーの受け皿がないのではなく、若い世代には欲望が日本と同じようにあったが、満たすものがなかったのです。インタビューされた男の子が興奮して言っていました「こんなに身近に憧れの人が見られる何て信じられない」大人の文化の中で育った彼らからするとその思いは日本より強いと感じました。

 

KEY WORD ⇒解放  深堀  気がつかないところに市場は育っている

 

AKBの潮流 はパリを巻き込み、そして日本KAWAII文化はレディガガが原宿で日本のカワイイ商品を買い漁り世界中に日本カワイイ文化を発信し世界を席巻しつつあります。

企画の方はこの潮流を認識する必要があると思います。

商品の価値軸が大きく変化すると思われます。

いまは価値軸が変わっていく大きなビジネスチャンスの時代です。

同じタイミングで日本男子の軟弱化が確実に進化しています。

最近の男子のTREND WORDです。

 

・スカート男子 (女性の服を着こなす男子の増加減少)

・日傘男子 (日傘は女性の物だけではなくなった)

・白肌男子 (美白は女性の願望だけではなくなった)

・胸板無し男子 (胸が薄い男子の増加)

 

女性の嗜好も変化しています。

・美坊主 (綺麗なお坊さんの美坊主図鑑 )

・佐川男子 (佐川のお兄さんの写真集)

そしてアンダー18女子サッカーはブラジルを5-0で破りました。

 

男だらけの政治はニッチもサッチもいかない。

強い「大和なでしこ」の足音がどんどん大きくなってきました。

そんな気がします。

 

KEY WORD ⇒男子の女子化  女子力の増加 女子年齢の幅の増加 (女子対象年齢の高齢化60歳)

 

根底に流れている価値感の変化は「凄さの変調」です。(早稲田大学 若林幹夫教授)

時代は常に「権力のカリスマ性」に憧れて行動する人々が政治や経済を動かしていました。この憧れが「あんなに偉い人は大変だ。たまらない。」という価値感の変化をもたらし、現在では「フレンドリーで身近な人」への小さな憧れに変化しているという「凄さの変調」を指摘されています。この変調の上にAKB48やきゃりーぱみゅぱみゅも潮流となって現れたのです。